[aisg-news 配信ニュース記録]  1998年1月〜2月



会津 泉

(アジアネットワーク研究所/クアラルンプール)





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Date: Mon, 5 Jan 1998 01:36:07 +0800
To: aisg-news@anr.org
From: Izumi Aizu
Subject: [aisg-news 35] Message for aisg-news

新年あけましておめでとうございます

日頃から、皆様には、アジアネットワーク研究所による研究活動をご支援いただき、
ありがとうございます。心から感謝いたします。

今年は、厳しい経済情勢を迎えているアジア諸国のネットワーク関連の動向と、日本の企業活動にどういう意味があるかという点をより掘り下げて調べ、皆様にご報告をしていきたいと考えております。
皆様から、今年はこういった点を調べろといった具体的なリクエストなどいただければ、大変参考になりますので、ぜひお寄せください。

なお、新年早々ですが、マレーシアのMSC(マルチメディア・スーパー・コリドール)についての調査を報告書にまとめました。間もなくそちらに届く予定です。(事務担当者の方宛に送ります)。

また、1月20日もしくは22日に、東京に出張し、ANRの報告会を開催させていただく予定でおります。

至急日時と場所を確定の上、ご連絡いたしますので、どうぞふるってご参加ください。
今回はMSCをテーマとして取り上げる予定です。

それでは、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

       アジアネットワーク研究所
                会津 泉


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Date: Sun, 11 Jan 1998 16:31:14 +0800
To: aisg-news@anr.org
From: Izumi Aizu
Subject: [aisg-news 36] ANR研究報告会のご案内
アジアインターネット研究会 会員各位

以下は、明日FAXで、会員の皆様の「連絡担当者」宛に送付する予定の ご案内とほぼ同文です。

あけましておめでとうございます。平素の皆様の温いご支援、誠にあり がとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

 こちらクアラルンプールは、経済はだいぶ冷え込んでいますが、一年中 が真夏です。日本の皆様はいかがお過ごしでしょうか。
 さて、下記のように、来たる1月22日午後、アジアインターネット研究 会(AISG)の第2回研究報告会を開催いたしたく、お知らせいたします。
今回は、マレーシアのMSC(マルチメディア・スーパー・コリドール)の 現状と展望を中心に、アジアの経済情勢にも触れつつ、ご報告させていた だく予定です。なお、資料として、このほど完成した報告書を別途お送りしておりますのでご参照ください。
 準備の都合上、よろしければ前々日の20日までに、出席される方のご氏 名・ご所属をFAXでGLOCOMの連絡担当者までお知らせくだされば幸いです。また、よろしければ終了後の懇親夕食会にもどうぞご参加ください (恐縮ですが会費制でお願いします)。

 それでは、皆様にお目にかかれることを楽しみにしております。

 記

 アジアインターネット研究会 研究報告会
 主 催:アジアネットワーク研究所 
 共 催:国際大学GLOCOM
 日 時: 1998年1月22日 午後3時〜6時
       終了後、有志で夕食懇親会を予定(会費制)。
 会 場: 国際大学GLOCOM(港区六本木6-15-21)
 報 告: MSCの現状と展望とアジアの経済危機
       ――希望の要因はどこに?

      会津 泉(アジアネットワーク研究所代表)
 コメント:公文俊平(国際大学GLOCOM所長)

アジアネットワーク研究所
代表 会津 泉


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Date: Wed, 14 Jan 1998 10:25:17 +0800
To: aisg-news@anr.org
From: Izumi Aizu
Subject: [aisg-news 38] MSCの一部、縮小か?

昨13日、サイバージャヤに移転したMDC(マルチメディア開発公社)のオフィスで開かれた記者会見の席上で、MDCのオスマン総裁は、MSCの 7つのフラグシップ・アプリケーションの一部を縮小する可能性があることを初めて公表した。
2月12-13日に開かれる予定のMSCのIAP(国際顧問委員会)についての発表の後、記者の質問に答えて述べたもので、「現在の経済危機のMSCへの影響は全般的には少ない」と言いつつ、
「政府予算の均衡を図る方針に沿って、MSCのフラグシップ・アプリケーション開発の一部は縮小せざるをえない。現実は受け入れなければならない。ただし、フラグシップのもつ勢いを殺すことはしたくない。そこにジレンマがある。どのアプリケーションをどの程度縮小するかは、来週月曜日(19日)にランカウイ島で開かれる予定の政府のMSC実行評議会(Implementation Council)の場で検討・決定される」と述べた。
昨年秋以来、経済危機のMSCへの影響はなく、政府は次の成長へのエンジンとして、むしろMSCの優先順位を高く保持すると言い続けらきたが、ここで初めて、現実が厳しいことを認めざるをえなくなったものとして注目される。

 実際にどのプロジェクトをどう縮小されるか、最終的には、首相の決断に委ねられる可能性が高いが、大蔵省など財政当局はかなり厳しい認識をしているようだ。MSCを遂行するMDCそのものの予算も、潤沢とは言えないようで、当面緊縮予算となるだろう。

なお、IAPは予定通り、2月12-13日にクアラルンプールで開催される。現在までに参加を表明した主なメンバーは以下の通り:

スタン・シー エイサー会長
セルジュ・チュルック アルカテル・アルトム会長公文俊平 GLOCOM所長
ダイアナ・ドゥーガン 戦略国際問題研究所(米国)顧問
レスター・アルバータル エリクソン会長
ウィリアム・ミラー スタンフォード大学教授
関本忠弘 NEC会長
宮津純一郎 NTT社長
大前研一
出井伸之 ソニー社長
アルビン・トフラー

欠席を連絡してきたのは、以下の通り。

ビル・ゲイツ マイクロソフト会長
関沢義 富士通社長
ルイス・プラット HP会長
ボン・ムー・クー LG会長
ルイス・ガースナー IBM会長
ジェームス・バークスデール ネットスケープ社長ラリー・エリソン オラクル社長 ハインリッヒ・フォン・ピエラー ジーメンス会長孫正義 ソフトバンク社長 スコット・マクニーリー サン・マイクロシステムズ会長ピーター・ボーンフィールド BT社長 イォルマ・オリラ ノキア社長

他に、未確定が数名。

シリコンバレーで開催された昨年とは変わって、大物経営者の大半が欠席と、少々寂しい顔ぶれであることは否定できない。 この時期に遠くマレーシアまで足を運ぶのは忙しい経営者たちには、よほどのインセンティブがないと難しいのだろう。エイサーは、マレーシアに大きな工場をもち、パソコンのシェアも高いため、シー会長の参加も理解できる。関本NEC会長は、最近になってメンバー入りしたもの。
 また、サン・マイクロシステムズからは、ジョン・ゲージが代理で来るようだ。マイクロソフトとは、テレビ会議の可能性もあるという。

この会議では、MSCのプロジェクトの進捗状況などについて、率直な討論が行なわれる模様。
なお、同時に、雑誌エコノミストによる会議が開かれることになっている。こちらは、公開の会議だが、重複開催でスケジュールの調整が大変なようだ。

マレーシアでは、ここのところ経済危機をめぐって、政府与党内部でも対策に追われている。マハティール首相の指導力が問われていることは否定できない。一頃より公開の席上への登場機会が減っているようだし、元気もないように見えるのは気のせいだろうか。危機に強いと定評のある首相だが、国民の間に不満も高まっているし、肝腎の経済界が相当打撃を受けている。「民営化」した国策会社の財政状態は火の車とも言われている。
砂糖と小麦粉などが2月から値上げとなるのを見越して、買いだめが始まり、店頭から姿を消した。
外貨準備高はまだかなりあり、タイやインドネシアほどの混乱は考えられないが、通貨安は歯止めがかからず、ボディー・ブローのように効いていると思われる。
ただし、MSCステータスの認定企業は100社の大台を越した。中長期の投資先としては、いまのタイミングは悪くないという観測もある。

アジアネットワーク研究所
会津 泉


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Date: Sat, 31 Jan 1998 23:26:03 +0800
To: aisg-news@anr.org
From: Izumi Aizu
Subject: [aisg-news 39] マハティール首相:通貨についての発言はしない

マレーシアの新聞、スターのオンライン版に出ていた記事です。

マハティール首相が、一連の通貨危機関連の発言をすればするほどリンギットの価値が下落するので、もう発言はしない、自分には「言論の自由はない」と述べたという、珍しく弱気(?)の姿勢を表明した記事です。オーストラリアの新聞のインタビュー記事の紹介です。

最後に、アンワール副首相の発言も紹介され、今回の経済危機は、アジア各国の権力者一族のファミリービジネスを劇的に低減させ、透明性、責任、民主主義の大幅な発展につながる好機だと述べてある種前向きに評価しているのも注目されます。

会津 泉

Saturday, January 31, 1998

Dr M: I have effectively lost the right of free speech

MELBOURNE: Datuk Seri Dr Mahathir Mohamad believes he has "effectively lost the right of free speech" following the reaction to his criticism of western nations over the currency problems in the region.

In an interview in Kuala Lumpur with Greg Sheridan, The Australian newspaper's foreign editor, published on Thursday, the Prime Minister said:

"It's been said I've now toned down criticisms. That is basically out of fear. It is no longer safe to speak and give your views. If you say the wrong thing, you will be brutally punished by having our currency devalued again so it is very difficult for me to speak now.

"We lack the freedom of speech now. It has been pointed out that there is a very close relation to opinions expressed or deeds done with the devaluation of currencies.

"The currency is devalued, jobs are lost, people suffer. It's a very heavy punishment on the whole nation. No leader, I think would want to say things which allow punishment not on him personally but on his people."

The newspaper report said that Dr Mahathir believed Malaysia had survived the currency crisis better than most nations in the region, pointing out that it had not needed an International Monetary Fund (IMF) rescue package.

Dr Mahathir, who is chairman of the Asia Pacific Economic Co-operation (Apec) forum for 1998, told Sheridan that Apec was unlikely to achieve anything in addressing Asia's economic slowdown.

He said that Apec had the potential to achieve something because the US was a member and Americans had the power to do many things. But he held out little hope of Washington giving much help.

Deputy Prime Minister Datuk Seri Anwar Ibrahim told Sheridan in an interview published on Wednesday that the Asian regional currency turmoil would lead to a dramatic reduction in crony capitalism.

He said the region would emerge from the crisis "more confident, more mature and liberal and democratic,"

"The great lesson we have learned, which is actually a major transformation and a revolution by itself, is that it has called for greater transparency, greater accountability, and for greater democracy," Anwar said. Bernama



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Date: Mon, 9 Feb 1998 18:15:20 +0800
To: aisg-news@anr.org
From: Izumi Aizu
Subject: [aisg-news 40] MSC 企業の通信料金

1月17日にマレーシアのレオ・モギー エネルギー、郵政通信大臣

名で発表された、MSC地区内の通信料金の発表文が入手できた ので、日本語と英語に翻訳してみました。原文はマレー語です。

(なお、この料金体系は原則非公開という方針で固まったという 噂も一時有力だったのですが、最終的には上限価格は制定・公 表することになったものです)。

MSC ステータス取得企業に対する電気通信サービス料金について
YB Datuk LEO MOGGIE : 電気通信郵便大臣

1998年1月17日

マレーシア政府は、MSC ステータス取得企業に対する、特別電気通信サービス 料金を設定した。この電気通信サービスは、MSC 計画推進のために提唱された、 10項目からなる「マルチメディア権利保証章典( Multimedia Bill of Guarantees )」に沿ったもので、 MSC ステータス取得企業に対する政府の約束といえる。この目的のために、政府は MSC 地区内の基本的な情報通信基盤を担当する テレコム・マレーシア社 に対して、MSC ステータス取得企業に対する特別料金の設定を委託した。

この特別電気通信サービス料金は、以下の2点に関して適用される。

・国際ダイヤル直通通話(IDD)サービス
・ブロードバンド・サービス
国際ダイヤル直通通話サービス
国際ダイヤル直通通話サービスが適用されるのは、当初はカナダ、日本、英 国、米国の4カ国である。これは、主な国際ネットワークの利用がこの4ヵ国に集中しているからである。

ブロードバンド・サービス
ブロードバンド・サービスは、上限価格が設定される。実際の値段は今後の 交渉と既存のパケット通信料金に基づいて設定される。価格は 64kbpsから6Mbps と、155Mbps の2段階がある。初期のパケット通信は、MSCステータ ス取得企業の営業部門では、128kbps から 2Mbpsに集中するだろう。いずれ にせよ、34 / 45Mbps から 155Mbps のバンド幅にのみ価格が設定される。

インターネット・サービス

現在 TMNet と JARING によって提供されているインターネット・サービス 料金はすでに低額である。したがって政府としては今後新たな料金設定をする意向はない。

インターネット/サービスは、次のに種類の形態で提供される。
・アクセスサービス
・コミュニケーション利用

MSC ステータス取得企業
上記の価格は、MSC 地域内にある MSC ステータス取得企業に対してのみ適 用される。

結び
上記の電気通信サービスにおける特別料金体系に関しては、テレコム・マレ ーシアは、これまでに多くの国際電気通信事業者との間での比較、検討を行 い、競争的でかつ他国よりも低い料金の設定に努めた。

Telecommunication Service Tariffs for MSC status companies

YB DATUK LEO MOGGIE

Minister, Energy, Post and Telecommunications

17 January, 1998


The government has approved the tariff structure for telecommunication services offered to MSC-status companies. This service is intended to form commitment between Malaysian government and MSC-status companies through 10 Multimedia Bill of Guarantees which have already established as an effort to promote the MSC project. For this purpose, Telekom Malaysia Berhad, the sole provider of telecommunications infrastructure in the MSC area, have been asked to serve one packet of special structure of tariff for MSC status companies by the Government.

Telecommunication service which covers tariff
The structure of special tariff which have been agreed cover those telecommunication services:

・International Direct Dialling・Broadband service

Special International Direct Dialing service
Special International Direct Dialing service rate for 4 destinations:
Canada, Japan, United Kingdom, and USA, have already been introduced.
The four destinations were chosen for the special tariff since the bulk of demand for international networks are with these countries.

Broadband service
The structure and possible rate for broadband service is to form maximum or ceiling. The actual rate will be decided through negotiation and will be based on the packet of service which have obtained. Tariff structure is bandwidth from 64Kbps until 6Mops and 155mbps. for the beginning packet, one big business management division of MSC status companies will be focused for bandwidth from 128Kbps to up to 2Mbps. Whichever, the tariff will only be to arise for bandwidth of from 34/45 Mbps to up to 155 Mbps.

INTERNET service

INTERNET rate which is now held by TMNet and JARING, is low enough. Because of this, the Government will not propose for any new rate for MSC-status companies.

INTERNET service has following 2 forms:

・Access
・Communication use

MSC-status company
This new tariff structure will be applied only to MSC status companies which are located in the MSC area.

Conclusion
Telekom Malaysia have already compared and took opinions of many other international telecommunication companies to achieve competitive and reasonable pricing compared to other countries.


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Date: Mon, 9 Feb 1998 18:26:46 +0800
To: aisg-news@anr.org
From: Izumi Aizu
Subject: [aisg-news 41] インターネットのプロバイダー、新規認可

マレーシアではこれまで、インターネットのプロバイダーは公式には JARINGとTMNETの2つしか存在しなかったのですが、昨年から他の事業者にも政府が近く認可を与えるとの噂が流れていました。

で、本日(2月9日)、既存事業者の1社の人との会話で、すでに認可が与えられたとの確認を得ました。内閣レベルで決定されているのですが、まだ公表はされていません。
ただし新しい免許はすべて既存の通信事業者(日本でいう一種、設備をもつ、主として無線・携帯電話会社)に与えられたものです。これによって、インターネットも電話会社の事業の一種という性格が強くなる可能性は否めません。

ただし、テレコムマレーシアもそうですが、新興通信会社はどこも経営が楽ではなく、もともと過当競争気味だったところに、最近の通貨下落、経済危機の影響を受けて、相当厳しい状況に置かれています。一部には、ドル建てでの借金の返済に追われて、すでに購入した設備のメーカーへの返却=引取を要求した事業者もあると聞いたほどです。

したがって、通信会社の間では、外資の導入やテレコムマレーシアへの吸収合併などの可能性が真剣に検討されていることが、新聞でも報道されています。
したがって、仮に認可を得たとしても、当面利益がほとんど見込めないインターネットビジネスに積極的に投資をしようという会社はまず出そうもないと言われます。場合によっては、既存の2社のどちらかとの戦略的な提携を選ぶことも大いに考えられます。

会津 泉


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Subject: [aisg-news 42] ANR新人の内村です
Date: Wed, 11 Feb 98 13:19:34 -0000
From: Takeshi Uchimura
To:

アジアインターネット研究会 会員のみなさま、

はじめまして、私は内村竹志と申します。
先月より、会津さんの「アジアネットワーク研究所(ANR)」KLオフィスでフルタイムの研究員として働きはじめました。KLに引っ越してしばらくは、マレーシアでの新生活の環境作りにばたばたしておりまして、また、熱帯の暑さに少々ぐったりしていて、あっというまに1カ月すぎました。ようやく暮らしと仕事になれてきましたので、aisg-newsへご挨拶させていただきたく、メールいたしました。

まずは、自己紹介をさせてください。

筑波大学では現代哲学を専攻していて、その後の大学院では教育工学(Computer Assisted Instruction)を専門として、学校教育でのコンピュータ利用について学んでいました。
大学院の時に、マックと会津さんの名著「スカリー」に出会って、アップルのファンとなり、1990年当時の日本支社長に直接「会社にいれてください!」と手紙を書いて就職をきめました。

アップルコンピュータには昨年夏まで7年間働いていました。平均在籍年数3年の会社なので、かなりの「古株」だっといえます。最初はソフトウエア会社のエンジニア教育やセールマン教育の担当をして、トレーニングプログラムをつくったり、講師をしていたりしました。後半は、学校教育市場への販売のマーケティング担当課長として、「メディアキッズ」という名称の実験プロジェクトの企画運営や販売プロモーションをしていきました。メディアキッズはアップルとGLOCOMの共同実験だったため、その時に会津さんとお話する機会がありました。メディアキッズについては、また別にご紹介したいと思います。

もともと「放浪の旅」が大好きでして、ペルー、インド、ネパール、タイ、ベトナム、マレーシア、バリ島などを数週間〜一カ月単位でまわったりしてました。一泊 1000円前後の安宿で。昨年夏にアップルをやめてからは、「人生の夏休み」と称して、妻と娘2人(3歳、5歳)といっしょにレンタカーでスペイン、ポルトガル50日の旅にでてました。(退職金はそれでなくなりました)全部で8000キロ走破しました。 そのアジア好きがエスカレートしまして、どうしても日本以外で暮らしてみたい!、と考えていたときに会津さんのマレーシア進出の話を聞き付けたのです。ナイスタイミングでした。

先月から、2人の娘が地元の幼稚園(中国系 使用言語英語)に通い始めました。家では、ハリラヤの歌をうたって、はしゃいでいました。中国語の授業もあるみたいです。数カ月の一家での放浪生活があったので、異文化にもなんとかなじめそうな気配です。こっちの友達ができると、きっともっとたのしくなるでしょう。子供の順応力にはおどろきます。

また、ANRで働きながらも、一方で自分主催のサイドビジネスとしてインターネットを通じた、「バリ島のココナッツ石鹸売り」などの企画準備をしております。アジアで一発当てよう!?とたくらんでおります。この大胆な試みも、よろしければ、アジアを舞台にしたインタネットコマースの一例(できれば成功例)として、ここにライブレポートしていけたらなあ、と考えています。

長文失礼いたしました。
ANRの新人として、今後ともよろしくおねがいします。

内村竹志 uchimura@negitoro.com
【ANR研究員/Negitoro.com代表】


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Date: Thu, 12 Feb 1998 00:38:47 +0800
To: aisg-news@anr.org
From: Izumi Aizu
Subject: [aisg-news 44] Re:ANR新人の内村です

当地は中国新年とハリラヤが終わり、今週はヒンズー教のお祭り、タイプーサンがありますが、徐々にビジネスに戻ってきています。

「新人」の内村さんが新たに戦列に加わりました。私とはまったく違ったカラーの持ち主で、ANRの活動の幅が広がることを期待しております。

最初は慣れるまで大変だと思いますが、皆様の温いご支援を、どうぞよろしくお願いします。

なお、明日、明後日と、MSCの国際顧問会議(IAP)が、サイバージャヤで開催されます。「大物」の参加がやや少ないと言われているのですが、蓋を開いてみて、さあ、どうでしょうか。 たいへん残念なことに、このほどANRの顧問にも就任いただいた公文俊平GLOCOM所長が、参加の予定だったのですが、風邪で急遽キャンセルとなりました。

 マレーシアではインターネットのプロバイダーの免許が拡大されたという情報もあり、ネットワーク関連の動きが急なようです。 経済危機は、リンギットと株式市場が上昇を続け、すこし鎮静の様子ですが、まだ予断は許せません。

 また、16日(月)からは、マニラで、APNGとAPRICOT、APNIC、APIAと、アジアのインターネット関連の会議が連続的に一週間開かれ、参加してきます。

 なかなかタイムリーなレポートが難しいのですが、できるだけ最新情報をお届けできるようにしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

会津 泉


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Date: Fri, 13 Feb 1998 00:06:56 +0800
To: aisg-news@anr.org
From: Izumi Aizu
Subject: [aisg-news 46] MSC IAP Meeting

今朝8時半から、MSC地区の中核都市となるサイバージャヤで、MSCの国際顧問会議(IAP)が開催されました。
夕食の途中で、すこし前に戻ってきたばかりなので、とりあえず速報だけします。 参加者は、正規メンバーでは14名。事前に参加通知があって、キャンセルした人も多いのが目につきました。とくに日本からの欠席が多いように感じられました。

NTTの宮津社長、ソニーの出井社長がそうです。わがGLOCOMの公文俊平所長も、風邪でダウンして欠席でした。

私は公文の「付添」として、別室でテレビ中継を「傍聴」できただけなので、正確に全員の顔を確認できたわけではないのですが、以下が主催者発表の名簿です。

スタン・シー      エイサー会長
セルジュ・チュルク   アルカテル会長
ダイアナ・ドゥーガン  GICC顧問
レスター・アルバータル EDS会長
ラース・ラムクビスト  エリクソン社長
ベン・ベルワエン    ルーセント・テクノロジーズ COO
ロバート・マッジ    マッジ・ネットワーク会長
ゲアリー・タッカー   モトローラ会長
関本忠弘        NEC会長
大前研一        大前&アソシエイツ代表
ボブ・ビショップ    シリコングラフィックス会長
ビル・ミラー      スタンフォード大学学長
ジム・マンジ      個人インべスター

ここまでが正規メンバーで、その他、「代理」で、ブリティッシュ・テレコム、DHL、HP、IBM、インテル、ノキア、NTT、オラクル、ロイター、ジーメンス、サンマイクロシステムズから、本社あるいはアジア地域担当の役員が参加しました。

NTTは国際担当の鈴木正誠常務が来られました。また、 NECは、アジア担当の篠原役員も来られていました。

会議は、朝から夜まで、マハティール首相がフル参加。討議の司会も自身で進めるという熱心さでした。
全体としては、新しい発表は何もなく、MSCはほぼ予定通り、きわめて順調に進んでいるという報告があり、通貨、経済危機の影響も軽微なものだという強気の姿勢が一貫して保たれていました。

メンバーからも、あまり突っ込んだ意見は出されず、提案などはずいぶん出されましたが、全体としてはとても和やかな雰囲気でした。
私にとっては、知っていることが多かったので、セレモニーという受け止め方をしがちでした。
インターネットの検閲問題、学校にどうネットワークを導入するかといった話題では、多少のやりとりがありました。
音響・画像の質があまり良くなく、聞き取れないところも多く、けっこう疲れました。

最後に記者会見が行なわれ、首相、レオ・モギーエネルギー・通信・郵政大臣、MDCのオスマン総裁に加え、ほとんどのゲストも参加し、全員一言発言しました。外交辞令も多分に入っていると思いますが、MSCへの高い評価、投資への強い意欲を見せる発言が続きました。
 ただし、日本からは大前さんしか記者会見には出席せず、日本企業が全体として及び腰との印象を与えていたのは否定できません。

 明日は、エコノミストの会議が開かれ、やはり首相が朝基調講演をします。その熱心さは大変なものです。夜のディナーには、日本・台湾への出張から帰国したばかりのアンワール副首相・蔵相も駆けつけました。 取材陣も大勢来ていたので、明日の新聞には大きく出ていることと思います。

 強気一本で本当に良いのかなと疑問を抱きながら、帰ってきたことをご報告します。

会津 泉


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Subject: [aisg-news 48] Dr. Ohmae Speech:The Economist Conferences
Date: Tue, 17 Feb 98 17:43:49 -0000
From: Takeshi Uchimura
To:

【aisgレポート】

The Economist Conferences 1998.2.12-13
 〜大前研一氏の基調講演を中心に〜


2月12日〜13日に、雑誌Economistが主催する会議 "The Economist Conferences" が開かれた。会議の題は"Roundtable on Electronic Communities in Asia"、会場はKL南部郊外にあるホテル「パレス・オブ・ゴールデンホース」である。

2/12は、会津さんがサイバージャヤでのMSCの国際顧問会議(IAP)に参加しなければならないため、代理として筆者(内村)がエコノミスト会議の席に座った。会議の列席者は、情報関連のメーカーをはじめ、マスコミ関係者など、ビジネスマンに限られていた。司会者、発表者をまさに四角く囲む形で机が配置されていた。 Asia Network Research Izumi Aizuの席もその中の一つにあった。

この日の呼びものは、IAPともかけもちの大前研一氏の基調講演であった。大前氏は、よく通る声で、ゆっくりとかみしめるように聴衆に向かって英語で語りかけた。

まずは、「サイバーコマース」のもたらす、21世紀の市民主権社会(Citizen Sovereign)について。例えば、大前氏が加入しているインターネットの航空チケット販売サービスには、すでに世界で6千万人の会員がいる。ここでは、いつでも、どこからどこまでの航空チケットでも、安価に予約購入できる。会員同士が、国境を越えた一つのコミュニティを形成しているといってもよい。そうなると、日本国内で東京から福岡までの航空運賃が、東京からソウルまでの運賃よりも(へたをすると何倍か)高いことが、明白となる。これは、競争の激しい国際線にくらべて、国内線の航空運賃が何重にも「保護」されていることが理由である。サイバーコマースがより便利なものになり、それを利用する人がネット上でコミュニティをつくって、保護政策の矛盾を指摘するようになれば、既存の枠組みを変えていく力となるだろう。 またサイバーコマースは、既存の販売システムの単なる延長ではなく、そこには付加価値(Additional Value)がどのようにそなわるかが鍵となる。例えば、もっとも成功している書籍の販売サイトamazon.comは、すでに世界最大規模の書店になっている。大前氏は、自著を検索したところ、英訳されたものなど10冊ほどでてきた。それぞれには読者が書いた書評がついていて、興味深く読むことができた。さらに、大前氏は自著をオーダーしたところ、すぐにメールが返ってきて「現在ストックをさがしているので、見つかり次第お知らせをし、日本に発送します」との応対があった。安価であることはもちろん、読者の書評を載せたり、すばやい対応を顧客にダイレクトにしたり、とそうした付加価値がamazon.comを急成長させたといえる。

21世紀の企業を考えた場合、wwwと同じような網の目状の組織形態(Web Shaped Organization)であることが重要である。例えば、NIKEは、本国アメリカではマイケルジョーダンやタイガーウッズなど一流のスポーツ選手にいち早く目をつけて契約を結び、商品に付加価値をつけて世界に向けたイメージ戦略を成功させている。さらに、NIKEが成功している理由としては、「スニーカーをどこでつくるのがいちばんよいか」を早い時期に見極めていたからだ。それは、韓国であったり、台湾、中国、インドネシアなどであった。つまり製造コストが安くて、しかも工員のスキルの高いところを、アジアの国から選び工場をおいていった。国境にこだわらずに、デザイン拠点、マーケティング拠点、プロダクション拠点を世界に網の目状に配した企業の組織形態をとってきたのだ。
Web型は企業だけでなく、国家や地域にもあらわれてきている。代表例は、シンガポールである。国土が小さいシンガポールは、中国、ベトナム、インド(バンガロール)、マレーシア(ジョホールバル)など安価でクオリティの高い人材・資材・土地をもった国と戦略的提携をして、国際競争力を高めようとしている。バンガロールは、インドのシリコンバレーと呼ばれている。確かにインド国内の物理的なインフラは弱いのだが、今や衛星によるネットワークが登場して、国内のインフラ整備の有無は問題ではなくなりつつある。
おそらく、企業や国家そのものが、アジアの国々と提携してWeb型の組織を作る場合、ボトルネックは、人材の管理(Human Resource Management)と、社会的な不安定要素(インドネシアの暴動など)になってくる。その点、マハティール首相をはじめビジョンをもった指導者が、MSCを実現段階まですすめ、ペナン島を世界有数の工場地帯に育て上げ、社会的にも安定しているマレーシアは、とても有望である。東南アジアを拠点とした、Web型の企業や国家組織を考えた場合、シンガポールとならびマレーシアがもう一つの雄となろう。

最高の場所(Best Place)を求めて、世界を移動していく動きは、今に始まったことではない。19世紀には、50万人もの日本人が新天地をもとめてブラジルに移民した。しかし、20世紀終わりには、多くのブラジル人日系人が、強い円をもとめて、労働力として日本に渡ってきている。
家電やPCメーカーを代表に、先の例のNIKEのようにファッションや日用品などのメーカーは、製造拠点をアジアの国々に求めてきている。Best Place for Productionである。おそらく、21世紀への動きとしては、そうした製造中心の企業ばかりでなく、金融やサービス業中心の企業も、国境を越えたWeb型の組織になり、拠点としての「最高の場所」をアジアに求めることにもなるだろう。

以上が、基調講演の内容のあらましである。「さすがに話がうまい。聴衆の心をつかんでいる。」と感じた。「バンガロールがサテライトでできるのだったら、なぜMSCもその線ですすめないのか」と細かなところでは疑問があったものの、うなずける点が多かったのも事実。コンサルタントとして、NIKEやMSC計画を実際にサポートしてきたからこそ、説得力があるのだろう。

最後に余談だが。
この会場となった「パレス・オブ・ゴールデンホース」のデザイン&スタイルは、と〜〜てもゴージャス。西洋、中国、マレー、タイの豪華要素をすべて盛り込んだような。私には、●趣味としか思えないのだが。ロピー天井の金色の馬が走る大絵画をはじめ、トイレの個室の入口など細部にいたるまで、馬が登場する。興味のある方は、KLにお立ちよりの際にここのカフェにてお茶を飲んでいただくか、筆者が撮影してきたデジタル写真をwww.anr.orgにてご覧ください。


文責:内村竹志
【ANR研究員&negitoro.com代表】


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Date: Thu, 19 Feb 1998 02:06:41 +0800
To: aisg-news@anr.org
From: Izumi Aizu
Subject: [aisg-news 49] APRICOTレポート(1)

一昨日、23日から、マニラで開かれているAPRICOTという会議に来ています。 Asia Pacific Regional Internet Conference on Operational Technologyというのが正式名称で、インターネットの運用を支える技術が基本テーマで関連する社会的な話題も取り上げています。

昨年は1月に香港で600名以上が参加したのですが、今年は通貨危機の影響で、400名前後と、だいぶ減りました。とくにインドネシアやタイからの参加が少なく、シンガポールが目立っていました。

ハイライトの一つは、1月30日に、インターネットのドメインネームシステムについての米国政府の管理の民間への移行案、通称「グリーペーパー」を出したばかりの米国ホワイトハウスの大統領顧問であるアイラ・マガジーナーが来て、非公式のディスカッションと、基調講演を行なったことです。

この案の詳細などは避けますが、これまでのインターネット・コミュニティに提案の大半を取りいれつつ、たとえばIPアドレスを管理する母体として、 IANAに変わって新しい非営利法人を米国法の下でつくること、DNSのサーバーの管理団体、「レジストリー」を、これまでの案では単一だったのを複数の競争にしようとするといった、いくつかの新しい提案が入り、賛否に分かれた議論が始まっています。

彼が繰り返し強調したのは、米国政府は、なるべく早くインターネットの管理の直接責任を返上し、民間団体によるオープンでボトムアップ原理による管理を尊重し、かつインターネットの安定性は移行にあたっても保証したいということでした。

どんな意見でも謙虚に聞き、原案は充分でない面もあると率直に認めるところは、さすがにアメリカ政府です。かなり説得力がありました。しかし、政府の役割をほとんどゼロにする、というような主張は、疑問も残りました。

彼は3月10日、日経新聞が主催する「世界情報通信サミット」でも基調講演に来ます。しばらくは、米国のインターネット政策の中心人物として動きに目が離せないと思います。

日本のインターネット・コミュニティからの、メールなどでのフィードバックが少ないことが気になりました。

会津 泉


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Date: Thu, 26 Feb 1998 12:02:50 +0800
To: aisg-news@anr.org
From: Izumi Aizu
Subject: [aisg-news 50] APRICOTマニラ会議 速報

以下は日経マルチメディア 4月号に掲載される予定の原稿です。会員の皆さんには、「速報」としてお届けしますので、部外には公開しないでください。

会津 泉


2月中旬、フィリピンのマニラで、アジアのインターネット関係者による会議APRICOT(Asia Pacific Regional Internet Conference on Operational Technologies)が開催された。経済危機の影響で参加者は 500名を切ったが、プロバイダー、メーカー、学界など、各分野から主な人物が揃い、欧米からもトップクラスのスピーカーが招かれ、最新技術セミナー、ビジネス・政策など多彩なプログラムが展開された。ただしインドネシアやタイなどからはほとんど参加がなく、経済状況の厳しさを物語っていた。

APRICOTの実質的な主催者は、インターネットにつながるホスト番号(IPアドレス)のアジア太平洋地域の管理運用を担当するAP-NIC(Asia Pacific Network Information Center)だった。このAP-NICのあり方が議論を呼んだ。AP-NICは近く本部を東京からオーストラリアに移動する予定だが、同時にこれまでAP-NICを切り盛りしてきたデビッド・コンラッド事務総長が辞意を表明したからだ。組織の管理運用・意思決定、会員の定義と資金確保など、懸案が重なっている。白人中心社会で西欧文化の色彩が強いオーストラリアへの移動は、日本、韓国、中国など、東アジアの必ずしも英語を得意としない諸国のメンバーからは歓迎されないという文化的な意識のギャップもある。

インターネットの急速な発達は、ボランティア的な運営から、よりビジネス志向の強い体制への転換を求めている。だが、単なる営利企業組織にすればよいわけでもない。公正中立な運用が不可欠なのだ。国・民族単位の枠組みを超えて、アジア太平洋一体となった協調運用体制をつくりあげることが必要なのだが、各国・地域の事情は大きく異なり、そう理屈通り簡単には進まない。

APRICOT にはプロバイダーやハードメーカーから成る業界団体で、インターネット・ビジネスの発展をめざすAPIA(Asia Pacific Internet Association)が積極参加し、国際通信料金体系の不均衡問題を積極的に取り上げた。アジアを襲った通貨危機は国際専用線コストの大幅増を引き起こし、プロバイダーの全コスト中専用回線の占める比率が国によっては70%にも達する死活問題となった。韓国ではすでにプロバイダー同士の統合が始まり、タイやインドネシアでは専用線料金の未納が続出し、倒産や吸収合併も避けられない状況となっている。

一方、インターネットのドメインネームの新しい管理体制が国際的に模索され、米国政府が1月末に行なった新提案(通称「グリーンペーパー」)が論議を呼んでいるが、この提案をまとめた当のアイラ・マガジナー大統領顧問が基調講演に招かれ、さらに夜遅くと早朝、彼を囲むオープンな議論が行なわれた。アメリカがインターネットを支配するとの反発と、予想以上に柔軟なマガジナー氏の姿勢とが交錯していたのが印象的だった。

さらにAPPLe(Asia Pacific Policy and Legal Forum)という、インターネット関連の法律や政策をテーマとするフォーラムでは、ITU、 WTO、APECなどの国際機関、フィリピン政府、米国政府、日本政府などの政府当局、各国のプロバイダーや電話会社の経営者らを招き、電子商取引とインターネットの管理運用、規制政策などをめぐるパネル討論を行なった。

これら「AP」で始まる組織の大半は、APNG(Asia Pacific Networking Group)からスピンオフしてできたもので、APNGも ARICOTに参加協力した。APNGは90年代の初め、アジアのインターネットのパイオニアたちが、国際会議で各国の情報を交換するなかから生まれ、アジアの途上国へのインターネットの普及を目的に活動してきた。メンバーの定義もないオープンな集まりで、分野を越え、個人によるボランタリーなフォーラムだ。このボランティアからビジネスへというインターネット全体の流れは、アジアでも例外ではない。

会津 泉



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Date: Thu, 26 Feb 1998 12:08:14 +0800
To: aisg-news@anr.org
From: Izumi Aizu
Subject: [aisg-news 51] 米国Green Paper 抄訳

インターネットの管理運用体制について、米国政府が1月末に発表した、通称グリーンペーパーの非公式な抄訳が配信されてきたので、転送・ご紹介します。

原文は:


にあります。

これまでのgTLDの新体制を進めてきたインターネット・コミュニティ、ヨーロッパなどからは当惑、反対もあるようです。

IABでは、全体の方向は一応支持しつつ、詳細を決めるのは米国政府の仕事ではないとの声明を出しました。

なお、マガジナー大統領顧問は、3月10日、日経新聞主催の世界情報通信サミットで基調講演するために来日の予定。前日に、日本政府と、電子商取引などについての共同声明を出す準備をしているようです。

会津 泉


From: Toru Takahashi
Date: Wed, 04 Feb 1998 00:01:56 +0900
To: gisj-asia@nikkei.co.jp
Subject: [gisj-asia 42] Re: インターネットは誰のもの?

Ira MagazinerのいわゆるGreen Paperが出てきて、今、PAB, COREでの議論が盛んです。日本語の抄訳を添えますが、これは、Global Commonsの坪さんがJPNIC向けに出したものです。
ここでの問題は様々あります。日経の夕刊(2/1)は、ほとんど正確ではありません。米国政府のインターネット管理に関する意志が、強く伝わってきます。米国の新聞では、もっと正確にことを捉えています。私は、明日の朝の、Net & Comの基調講演で、この問題に触れようとしています。

本当に、皆さん、インターネットは誰のものですか? しっかりと考えましょう。行動しましょう。Ira Magazinerなる人物についての論評も出始めました。 Internet Governanceを次世代に向けてどう考えるのか?少なくとも、gTLDの努力は、無視されて、米国政府の思惑の中に閉じこめられそうです。
高橋 徹

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坪です。

以下、green paper の抄訳です。タイトルは訳さず原文のままにしています。箇条書のスタイルをとっていますが、原文がそのようにはなっているわけではありません。全文翻訳は別に行います。

この抄訳は、JPNIC DOM-WG において、現状を把握するためにスピードを優先して作成したものであり、多少雑な部分もあるので、公式文書としては使わないで下さい。公式文書として抄訳(要約)が必要な場合は、全文翻訳をした後、それをもとにして作成したいと思います。ご理解のほどよろしくお願いします。

原文:
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・このペーパーは、商務省が提案するルールである。商務省は、本日よりこのペーパーに対する一般からのコメントを受け付ける。
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A PROPOSAL TO IMPROVE TECHNICAL MANAGEMENT OF
INTERNET NAMES AND ADDRESSES
DISCUSSION DRAFT 1/30/98

History
・今日のインターネットは、パケットスイッチング技術及びコミュニケーションネットワークに対する米国政府の投資から生まれた結果である。これらは、DARPA、NSF、その他米国研究機関との契約に基づいて進められたものである。
・1992年、米国議会は、NSF に対して、NSFNET を商用化するための法的な権限を与えた。これが今日のインターネットの基礎となっている。・旧体制の遺産として、ドメインネームシステムの大きな部分は、米国政 府機関との契約に基づいて運営されている。

1) Assignment of numerical addresses to Internet users.・IPアドレスの割り当ては、IANA が調整し、アドレスブロックを地域IPレジストリー(ARIN、RIPE、APNIC)に割り当てることによって実行されている。この作業は、DARPA との契約に基づいて行われている。
2) Management of the system of registering names for Internet users.・ccTLD(country-code TLD)の説明。
・gTLD の説明。
・現在の gTLD は、NSF と NSI の5年契約に基づいているという説明。

3) Operation of the root server system.
・現在、NSI が "A" root server を管理しており、それを複製する root server が他に12ある。
・米国政府は、これら世界の root server の半分を管理する役割を担っている。
4) Protocol Assignment.
・IETF で決められるインターネットプロトコルスイートは、プロトコルナンバー、ポートナンバー、ASナンバー、MIB識別子などたくさんある。・現在、これらの割り当て、及び、レジストリ管理は、DARPA との契約のもと IANA が行っている。

The Need for Change
・インターネットが、米国を中心とした研究ネットワークから、国際的な商業、教育、通信のメディアへと変遷してきているのに伴い、その技術的な役割構成も変えていく必要がある。変化を求める圧力がいろいろなところから出ている。
 −ドメイン名登録において競争がないという不満が広がっている。
 −商標権者とドメイン名保有者との間の紛争解決は、お金がかかり面倒である。
 −このままの状態では、世界中の裁判所が、それぞれの管轄権において反トラスト法と知的所有権法をインターネットの世界に持ち込み、混沌とした状態になる。
 −多くの商業的な団体は、もっと公式で強固な管理構造を求めている。
 −米国以外のインターネットユーザーがどんどん増えており、インターネットの調整活動においても意見を出したいと思っている。
 −インターネット・ネームが商業的な価値を持つにつれて、新しい TLDの創設に関して、インターネットコミュニティーに公式に責任を持っていない団体がアドホックに決定する状況ではなくなっている。
 −インターネットが商用化されるにつれて、米国の研究機関(NSF、DARPA)が上記のような役割に参加したり資金を提供するのは不適切になってきている。

The Future Role of the U.S. Government in the DNS・1997年7月1日、the Clinton Administration's Framework for Global Electronic Commerce の一部として、大統領は商務長官に対して、ドメ インネームシステムを民営化し、競争を高め、また国際的参加を推進するよう指示した。
・これを受けて、1997年7月2日、商務省は、DNS管理に関する Request for Comments を出した。この RFC には、430のコメントが寄せられた。・このペーパー(green paper)には、これら一般からのコメントが反映されている。
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PRINCIPLES FOR A NEW SYSTEM
 1. Stability.
 ・米国政府は、インターネット・ナンバー及びネームアドレスシステムにおける役割を責任ある形で終えるべきである。
 ・今日のインターネットはうまく動いているが、今の技術管理が長い将来に渡って通用するとは限らない。現在のシステムが崩壊する前に行動を起こさなければいけないが、急激な変化もよくない。
 ・新しいシステムの導入は、現在の運用形態を壊すものであってはならないし、また、現在のルートシステムに対抗するものを作ってもいけない。
 2. Competition.
 ・可能であれば、市場メカニズムがインターネットの技術管理をドライブするようにすべきである。これによって、技術革新が促進され、多様性が保たれ、ユーザーの選択肢が増えるとともにその満足度も高まる。
 3. Private, Bottom-Up Coordination.
 ・特定の技術管理は調整活動を必要とする。このような場合、政府のコントロールよりも、責任ある民間セクターによる業務遂行が望まれる。
 4. Representation.
 ・インターネットの技術管理は、ユーザーとそのユーザーニーズの多様性を反映するべきである。意思決定において国際的なインプット(意見投入)が確実になされる仕組みを作るべきである。
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THE PROPOSAL
The Coordinated Functions
・IPアドレスの割り当て管理は、調整ベースで行われる方が良い。
・同様に root server の調整活動も必要である。日常的オペレーションは外部に委託したとしても、TLDs 及び root server のポリシー管理及びコントロールは単一の組織が行うべきである。
・我々は、これらの調整活動を管理するために民間の非営利法人(新法人)を創設することを提案する。
・新法人は次の権限を持つ
1.地域レジストリーに対してアドレスブロックを割り当てるための方針を策定し、指示をすること
2.authoritative root server の運用を管理すること
3.新しいトップレベルドメインが追加される条件を決定するためのポリシーを管理すること
4.世界的な接続性を維持するために必要となるプロトコルパラメーターの開発を調整すること

・米国政府は、IANA の役割をじょじょにこの新法人へと移行する。
・IANA からの移行はできるだけ早く開始し、1998/9/30までには完了する。
・米国政府は、新法人が設立され安定するまでポリシー管理に参加する。米国政府は遅くとも2000/9/30までにはフェイズアウトする。
・商務省が、米国政府の方針管理の役割を調整する。
・新法人は、ドメイン名レジストリと地域IPレジストリによって財政的に賄われる。
・新法人は、米国に本部を置き、米国法のもとで非営利法人として法人化する。ただし、その理事会メンバーは世界から構成されるようにする。・理事会メンバーは、IPレジストリ、ドメイン名レジストリ、ドメイン名レジストラ、技術コミュニティ、インターネットユーザーの代表によって構成される。政府高官、並びに、政府間機関高官は理事会メンバーにはなるべきではない。
・新法人は、標準化団体のような行動をとることになるだろう。

The Competitive Functions
・第二レベルドメイン名の登録、並びに、TLDレジストリの管理は競争的で市場ドリブンとなるべきである。
・我々は、レジストリとレジストラを区別する。レジストラを競争的なものにするという点においては強いコンセンサスがあるようだ。しかし、レジストリレベルでの競争促進については、まだ一致をみていない。・我々は、レジストリについても競争を持ち込んだ方が消費者にとって利益があると考える。したがって、民間への移行期間中に限られた形で実験をすることを支持する。

The Creation of New gTLDs
・DNS の民間管理への移行期間に最大で5つのレジストリを追加することが我々の目標と整合すると考える。開始段階においては、一つのレジストリが管理できるトップレベルドメインは一つに限定されることを提案する。
・移行期間後は、新法人がさらに gTLD を追加するかどうか、あるいは、いつ追加するのかについて決定する立場におかれるであろう。・競争は二つのレベルで起きるだろう。一つは異なる gTLD の競争。もう一つは、レジストラ間の競争。
・これとは対照的に、既存の各国レジストリーは、各国政府が国コードトップレベルドメインの管理をする権利を主張するならば、その管理を継続することができるであろう。

The Trademark Dilemma
・今日のインターネットにおいて、商標とドメイン名との紛争が発生するのは非常にまれであるということを心にとめることが重要である。例えば、NSI は100万にも及ぶドメイン名を登録しているが、商標権者から異議申し立てを受けるのはその内のほんの一部である。しかし、商標がドメイン名として違法に使われると、消費者に被害が及び、商標権者は非常にお金のかかる訴訟なしではその権利を保護することはできないか もしれない。
・サイバースペースにおいて商標を保護することも大切である。他方、インターネットコミュニティ全体のニーズに応える必要もある。我々は両 者のバランスをとって、商標権者に対して実際の世界において彼等がもっている権利と同等の権利を与えることにする。そこでは透明性が確保され、訴訟を含む紛争解決メカニズムが保証されている。

The Intellectual Infrastructure Fund
・1995年、NSF は NSI がドメイン名登録に年間50ドル課金することを認めた。この内の30%はインターネットの知的インフラを向上させるため のファンドとして蓄積されることになっていた。
・今日まで $46 million が集められており、その内 $23 million がNext Generation Internet の開発支援に使われることが議会で決議された。
・30%をファンドとして課すことは、1998年4月1日に停止する。
------------------------------------------------------ THE TRANSITION
・この paper で描かれているシステムを実現するためには幾つものステップが必要である。
  1.新しい非営利組織が設立され、理事が選ばれなければならない。
  2.レジストリとレジストラを代表する会員制組織、並びに、インターネットユーザーを代表する会員制度組織を作らなければならない。
  3.IANA の役割を新組織に移管することについて、米国政府と IANAが合意しなければならない。
  4.NSI が一レジストリになるための条件について、NSI と米国政府が合意しなければならない。平等な競争環境を作る必要がある。
  5.新法人は、レジストリ、並びに、レジストラになろうとする組織がその基準を満たしているかどうかを決定するためのプロセスを設定しなければならない。
  6.米国政府の監督体制から新法人への移管に当たって、root serverシステムの管理をより強固に、より安全にするためのプロセスを考えなければならない。

The NSI Agreement
・米国政府は、NSI との協力合意を1998/9/30まで延期する。それに伴う条 件は次の通り。
  1.NSI は、レジストリ業務とレジストラ業務を明確な部門として分けること。NSI は、.com、.net、.org を共有レジストリとして継続する。.edu の管理は、非営利の組織に移管する。
  2.完全な共有レジストリシステムへの移管の一環として、NSI はいずれのレジストラであっても登録業務が共有できる技術的な機能を開発すること。
  3.NSI は、協力合意期間に生成されたデータ、ソフトウェア、ライセンス、その他知的所有物のコピーとドキュメントを米国政府に引き渡すこと。これらは新法人によって利用される。
  4.NSI は、米国政府の指示に従い、"A" root server のコントロール、並びに、root server システムの管理を引き渡すこと。
  5.NSI は、Appendix 1 に示されているレジストリの要件、並びに、レジストラの要件を満たすこと。

Competitive Registries, Registrars, and the Addition of New gTLDs
・ベストシナリオは、1998/9/30までに新法人が完全に稼働することである。
・新法人への移行期間に、ドメインネームシステムに競争を導入するために以下の提案をする。この提案は、移行期間のみを対象として計画されるものである。新法人ができた段階で、新しいトップレベルドメインの追加に関しては、その新法人が権限を持つことになる。

Registries and new gTLDs
・この提案においては、最大5つのレジストリの創設を求めている。最初は各レジストリは各々一つの新しい gTLD を管理することになる。
・新しいレジストリと gTLD を指名するために、IANA は公平で客観的な基準と手続きを策定する。
・我々は、民間セクターですでに進行している作業を認めるための幾つかのオプションを検討してきた。例えば、IANA の要請に基づいてすでにレジストリビジネスに投資をしているところに対し、あらかじめ一定数の 登録者を例外扱いにする「先行者特典」のための条項を主張する人もいる。
・少なくとも現時点においては、レジストリは、共有レジストリベースでの運用を行わなければならない。これは、価格、アクセス、規則の面において、すべてのレジストラを区別することなく扱うことを意味する。
・将来においては、新組織が、非共有レジストリの導入を検討する可能性もある。

Registrars
・Appendix 1 に記載されている要件さえ満たせば、いかなる組織もレジストラになることができる。
The Root Server System
・IANA と米国政府は、NSI、IAB、その他関連団体と協力をして、root server システムが安全性を高め、十分に管理されるための方法を推奨するために、その検証作業を行う。
・その調査に基づく勧告は、新法人への移行プロセスにおいて実行される。

The .us Domain
・.usドメインについての説明。
・.us 空間が商業利用されれば、.com に対する圧力が緩くなるという人もいる。しかしながら、商用利用する人や商標権者達は、現在の地域をベースとした仕組みは、あまりにも長ったらしく、複雑であると考えている。
・これから数ヵ月に渡って、米国政府は、民間セクター、並びに、地方政府機関と協力して、.usドメインがどのようにしたら商用利用にとって魅力的なものとなるかについて検討をする。・これまで米国政府が使用してきた .gov、.mil を .usドメインに移動するということも適切かもしれない。

The Process
・米国政府は、インターネットドメインネームシステムにおけるそのユニークな役割をできるだけ早い段階でやめるべきであるという認識をもっている。我々はまた、インターネットの安定を維持するという点に責任を持つ形でその役割を終えるべきであるという認識をもっている。
・我々は、現在もっている権限を特定の商業団体、あるいは、特定の関係団体に渡すことはできない。
・我々はまた、インターネットを分割しようとするいかなる動きに対しても反対をするという責任をもっている。
・我々のゴールは、できる限りの強いコンセンサスを求め、インターネットのすべての利害関係者にとって正当に見える、新しくてオープンで責任あるシステムを作ることである。

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Appendix 1
Recommended Registry and Registrar Requirements
・レジストリの要件。・レジストラの要件。
------------------------------------------------------------
Appendix 2
Minimum Dispute Resolution and Other Procedures related to Trademarks
・ドメイン名申請時における要件。・検索データベースの要件。
・所有権情報、担当者情報、利用情報の更新の必要性。・紛争解決の代替案。

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