MSCは、2020年には全土に拡大される予定で、シンガポール、インドネシア、タイ、ベトナムなど、周辺諸国の情報化関連政策にも大きな影響を与えています。 これらアジア諸国におけるネットワーク社会形成への歩みは、まさに地球規模での壮大な実験で、中南米、アフリカなど他の発展地域に対しても大きな影響を与える戦略的重要性があると考えられます。
日本にとっても同様です。戦後50年を経て、経済発展の頂点に達した日本の社会システムは、深刻な制度疲労に陥り、構造改革への決定的な突破口をいまだ見出すことができずに低迷しているといわざるをえません。いま、アジアの新しい成長の流れに参加し、新しい方向性を学ぶことは、21世紀日本の発展にとって、貴重な価値をもつでしょう。
日本は、インターネット型のオープン・ディジタル・ネットワーク(ODN)の構築を基軸に、産業・社会構造の再編成を断行すべき時期を迎えています。アジア全体のODNの形成・発展に戦略的にどうかかわるかに、今後の日本社会の死活がかかっているといって過言ではないでしょう。
グローバルなネットワークの普及は、個人や個別企業、地域コミュニティなどのグループが、「主権国家」の枠を容易に越えて交流することを可能にし、主権国家を前提とした従来の社会システムと価値観への大きな挑戦となると考えられます。
今後アジアにおいて、いわゆるアジア的な価値観と欧米型のそれとの摩擦が発生し、深刻化するものと予測されます。同時に、そうした異質の価値観の衝突の中から、新しい地球文明の原理・基礎が生まれる可能性にも大いに期待できます。いま、その意味で、アジアは熱く、未来への可能性に満ちた地域なのです。