動き始めたアジアのEC『日経マルチメディア』連載 アジアネットワーク便り(99年4月号) (アジアネットワーク研究所/クアラルンプール)
逆にECへの関心が高かったのは香港やシンガポールだった。アジアでECに熱心なのは華人系のビジネスマンで、彼らが中心になって積極的な展開が図られている。そのなかでも、香港の「アジアンソーシズ・オンライン」はアジアでもっとも成功しているECサイトのひとつだ。このサイトを運営しているのは、もともと貿易業者専門のカタログ雑誌の出版社である。雑誌の内容をインターネットで提供して、仲介業を始めたところ大ヒットした。 ECはよくB-to-B(ビジネス・トゥ・ビジネス:企業間)とB-to-C(ビジネス・トゥ・コンシューマ:消費者向け)の取引に分けられる。アジアンソーシズはB-to-Bに特化したサービスだ。アジアを中心に世界70カ国7000社の6万種類の商品をオンラインのカタログに掲載しており、バイヤーとセラーとを簡単に仲介できる。 こうしたビジネスの伸長もあって、香港ではECの70%以上がB-to-Bだという。中国の小規模なメーカーがグローバルなマーケットに商品を売り込むうえで、インターネットは強力な効果をもつ。例えば、中国の深センのある電池メーカーはインターネット経由でイスラエル、インド、ロシアなどに輸出先を拡大することができたという。別のブザーのメーカーは年商4000万ドル(約50億円)のうち、1割がアジアンソーシズ経由のネット販売だという。最近では逆に材料の仕入れにも、アジアンソーシズを利用している。日本の有力メーカーも部品の調達に利用しているという。 一方、ECへの関心が低いとされたマレーシアでも、ようやく本格的なオンラインのモール(電子商店街)が始まった。ECサイトの立ち上げに取り組んでいる「サイバービレッジ・オンライン」がそれで、このモールには、花、各種ギフト、マレーシアの工芸品から、パソコンや車まで、いくつかの専門ショップが出店している。 花屋の「マイフラワー」は午後1時半までに注文すれば即日配達する。ただし配達先はマレーシアとシンガポールだけだ。「パンアジアン・クラフツ」は、壺、織物・布製品、竹細工、木工品などアジアのクラフトを幅広く扱う。ホームページに写真がずらりと並び、ディテールまで見られる。価格も安く、20〜30ドルの商品が多い。ただし10〜20ドルの送料がかかる。「111ギフト」というギフト・ショップもある。ここはカナダにも事務所があり、全世界に配達可能だ。誕生日などをあらかじめ登録しておくと、指定した日に電子メールで注意してくれる「リマインダ・サービス」も用意している。 サイバービレッジには、カシオ計算機のGショックを扱う時計店、客が売りたい商品を登録できるパソコンや車のリサイクル店も出店している。決済はクレジット・カードや小切手などである。いずれも開店したばかりなので、売り上げは公表されていない。もっともこちらは香港と違い、利益が出るようになるまでもう少し時間がかかりそうだ。 ■関連サイト アジアンソーシズ・オンライン http://www.asiansources.com/ サイバービレッジ・オンライン http://www.cyber-village.net/ パンアジアン・クラフツ http://www.panasiancrafts.com/ 111ギフト http://www.111gift.com/
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