アジアのネットのお祭り「APRICOT」『日経マルチメディア』連載 アジアネットワーク便り(99年5月号) (アジアネットワーク研究所/クアラルンプール)
アジア太平洋ネットワーキング・グループ(APNG)、アジア太平洋インターネット協会(APIA)、アジア太平洋ネットワーク情報センター(APNIC)などインターネットに関係するアジアの様々な団体、組織、個人が協力して、実行委員会を構成した。開催直前まで資金が集まらずに苦戦したが、結果的にはなんとかなった。厳しい経済情勢のなかで、インターネット分野はまだ善戦している。 今回は、昨年設立された、インターネットのグローバルな管理運用を担当する新組織「ICANN」(InternetCorporation for Assigned Names and Numbers)初の本格的な役員会、各種諮問委員会も併せて誘致した。北米、ヨーロッパ、アフリカ、中南米などアジア以外も含め、総計500人を超える多くの関係者が一堂に会した。 ICANNはインターネットのすべての利害関係者が納得できる、公正でバランスのとれた体制を民間・非営利という枠組みで創出するという難題を背負っている。その焦点のひとつが「会員制度」である。私自身、昨年12月にICANNの会員制度諮問委員になり、役員会に提出する原案の作成にかかわってきた。 今回も最初の3日間は世界各地域からの委員と「合宿」状態で、会員の定義、権利と義務、会費設定、選挙の方法など、基本原理から組織運用上の規約まで、びっしりと討議が続いた。欧米主導になりがちな流れに対し、途上国も含めて公平な体制をつくるため、経済状態や文化・価値観の違いを踏まえた原案作りに貢献することが私の役割だった。 ICANNはほかにもいくつかの委員会があり、インターネットのドメイン・ネーム・システム(DNS)の大本である「ルート・サーバー」については、村井純さんを委員長とする「DNSルート・サーバー諮問委員会」が開かれた。世界に13あるルート・サーバーが2000年問題(Y2K)に対応することを確実にチェックするとの発表があった。各国政府との交流のための「政府諮問委員会」もあり、20カ国ほどの政府代表が集まって、ICANNの取り組みを支持するという声明が出された。 後半では、米国のFCC(連邦通信委員会)からゲストを招き、インターネットのY2K問題を取り上げた。古いサーバーやルーターの一部ではOSのアップグレードが必要で、場合によっては有償であり、経済水準の低い途上国の負担は重いことなどが分かった。前述したように、ルート・サーバーでも対策が必要であり、エンジニアのコミュニティで、この問題への認識が深まったことは大きな収穫だった。 しかし政府関係者の間では、インターネットでもY2K対策が必要という認識は薄かった。残された時間は少なく、いっそうの取り組みが必要だ ■関連サイト APRICOT http://www.apricot.net/ APNG http://www.apng.org/ APIA http://www.apia.org/ APNIC http://www.apnic.net/ ICANN http://www.icann.org/ (インターネットのY2K問題については)Internet Y2K Campaign http://www.nety2k.org/
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